建築技術の発展によって設備工事のウエイトが高まり、ますます便利で、快適になってくると、その反面、危険もそれだけ増大してきます。それはちょうど、自動車が普及して便利になったために、交通事故が激増し、大気汚染が問題になってきたのとよく似ています。火災、ガス爆発、酸欠、水質汚濁、大気汚染等々、設備に関係する危険は増大する一方です。設備で使用する各種のエネルギーは、一転すれば恐ろしい凶器になります。それだけに設備の施工や維持管理については、細心の注意が要求されるようになってきました。
 こうしたことから、最近急速に設備関係の法規の整備に力点がおかれ、安全衛生および技術基準の制定や専門技術者の資格の法制化が推進されています。
 高度に発達した設備は、専門の技術者が扱わなければ危険であるということがようやく認識されてきたのです。