近年、私たちの周囲の建物がりっぱになってきたことは、まことに目をみはるものがあります。しかも、それらは決して見せかけばかりがりっぱになったのではありません。建物内の環境が以前とは比べようもなく整備されています。
  これらはすべて、空気調和給排水衛生および電気など「設備」部門の充実によるものです。
建物をその構成要素から分類すると、「意匠」「構造」「設備」の3つに分けることができますが、これを人間の身体に例えれば、「意匠」は全体の容姿にあたり、「構造」は筋骨、そして「設備」は循環器、消化器、さらには神経などにあたるということができます。設備というものが現代の建物にとっていかに大切なものであるか、この例からも納得して頂けるものと思います。
 言い替えれば、現代建築の値打ちは、設備の良し悪しによって決まると言っても差支えありません。しかも、この設備の分野こそまさに日進月歩の発展を続けて、今後もますますその重要性を増していくことは確実です。